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チャートコンポーネント StockChartX 印刷
投稿者:手賀   
2010年 4月 02日(金曜日) 11:33

年が明けてからもっぱらカスタム品および自社使用のトレードアプリを開発しており、あまりブログなど公の場で書けるネタがないので、久しく更新もできませんでした。

それらのアプリの詳細については触れませんが、自社使用アプリのチャート部にModulus Financial Engineering社のActiveXチャートコンポーネントStockChartXを(一時的に)使っていますので、人柱的なレビュー(愚痴)とともに簡単にご紹介したいと思います。

StockChartXの概要

StockChartXは株価などの四本値に特化したActiveXチャートコンポーネントで、次のような機能/特徴を持っています:

  • ローソク足のほか、P&F、カギ足、練行足、平均足、Equivolumeなどの表示スタイル
  • 細かなバリエーションも含め、60種類ほどのインジケータ
  • トレンドライン、ギャンファン、フィボナッチリトレース/ファン/アークなどの描画ツール

通常ライセンスで提供されるのはビルド済みのx86向けDLLだけですが、ソースコードライセンスを購入した場合はStockChartXをユーザーがカスタマイズしてビルドすることができます。また、x64ネイティブのビルドも可能です。

使用感

さて、StockChartXを実際に使ってみた総評としては、決して満足できる代物ではありません。確かに、現在世の中に出回っているトレードクライアントは、一部の秀逸なものを除いては、チャートが見にくいものや使いにくいものも非常に多いので、そのレベルで争うのであれば必要以上の機能を備えています。

しかしながら、Dealbook 360ですとか、フィボナッチなどの描画ツールに強いTrack ‘n Tradeなどのチャートと比べると、見た目はある程度カスタマイズでカバーできるものの、操作性で著しく劣る点はいかんともしがたいのが実情です。

また、一目均衡表がサポートされていないことや、日付のフォーマットが英語に固定されている点を考慮すると、日本国内向けのチャートコンポーネントとしての評価はさらに下がると言わざるを得ません。

ソースコードについて

ソースコードライセンスを購入した場合の自前ビルドについては、VS 2008でソリューションを開いてバッチビルド一発で終了、というわけにはいきませんので注意してください。

そもそも、VS 2008向けのソリューションファイルが付属しているのに、x86ビルドすらすんなり通りません。x64ビルドにいたっては、VSの構成マネージャでx64プラットフォームを自分で作成した上で、いくつかのコンパイルエラーを取り除く必要があります。

これらのコンパイルエラーは、プログラマであれば特に苦労せずに修正できる程度のものです。しかし、製品ウェブページで「ソースコードがあればx64向けにコンパイルもできます」と謳っている割には、開発元でビルドの確認すらとっていないのではないかと疑いたくなります。

また、ソースコードライセンスの場合には不満な点は自分で直すということも可能ではありますが、正直言って自前で変更/メンテする気にはなれないソースコードです。

細かいことを書き始めるときりがありませんが、いわゆる典型的な汚いソース(一部のソースファイルがやたら長い、定数を#defineconst定義もせずに直値で使用する等々)で、国際化やマルチバイト/Unicodeに対する配慮がまったくないため、日本国内向けに至らない点を補うのは非常に大変だと思います。

まとめ

StockChartXはMFCで書かれたActiveXコンポーネントですが、最近はWPFやSilverlight向けのコンポーネントも提供されているようです。しかし、もしActiveX版を書いたのと同じプログラマが開発しているのであれば、正直なところそれらもあまり使いたくはありません。

自社用のトレードアプリに関しては、最低限の要求さえ満たせばよく、一般ユーザーに公開するアプリのように機能が完備されている必要はないことから、チャートコンポーネントも一から自作してStockChartXを置き換えることを考えています。

以上、StockChartXを一般販売するソフトウェアへ組み込むことはお勧めしませんが、かといって、代わりとなるフィナンシャルチャートコンポーネントも存在しないのが困りものです。